正五角形ができない理由を考えよう。(2)
概要 「正六角形と正五角形の特徴から、立方体の切断面は正五角形にならないことを説明する」

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学習内容

教師の指導・援助 正六角形正五角形を提示し、それぞれどのような特徴があるかと問い、それぞれの特徴やお互いの相違点を考えるように促す。
教師の指導・援助 正六角形と正五角形の観察における着目点として、前時のワークシートから「向かい合う辺の存在・位置関係」を取り上げる。
学習内容 ワークシートに示された正六角形と正五角形を使い、それぞれの特徴や相違点を考える。
学習内容 自分で気付いたことを記述する。
教師の指導・援助 各辺を延長させて位置関係を考えている生徒を取り上げ、全体追究に位置付ける。
教師の指導・援助 プラズマビジョンでGSPによる正六角形と正五角形を提示し、各辺を延長した直線がどのようになるかを全体で観察する。
教師の指導・援助 正六角形は、向かい合う辺が3組存在し、平行になっていることに対し、正五角形は辺同士が向かい合わないことを確認する。
教師の指導・援助 全体で確認したことを視点として、Cabri 3Dを操作しながら切断面を観察するように指示する。
学習内容 Cabri 3Dを操作しながら、切断面に現れる六角形は必ず向かい合う辺の組があること、また、必ず平行になっていることを確認する。
学習内容 五角形も現れるが、向かい合う辺が2組存在し、平行になっていることを確認する。このことから、正五角形にはならないことをまとめる。
切断面六角形 Flashファイル
立方体の切断面六角形 cabriファイル
切断面五角形 Flashファイル
立方体の切断面五角形 cabriファイル
評価 向かい合う辺は必ず平行になることを、立方体を構成する面の位置関係と関連付けて説明する。
評価 正五角形には、向かい合う(平行な)辺がないことを理由にして、正五角形は絶対にできないことを説明する。
教師の指導・援助 教師が最初に提示した見取り図を再度提示し、「これは何がおかしいのか」と問いかける。
評価 学習したこと、納得したこと、不思議に思ったことなどをワークシートに記述する。
教師の指導・援助 cabri3D最初に提示した「ありえない図」(左図)を再度提示し、どこがおかしいのか振り返るように促す。

<付記>
この授業では、命題「正五角形であれば、向かい合う平行な辺の組み合わせは存在しない」は正しいことを確認し、対偶命題「向かい合う平行な辺の組み合わせがあれば、正五角形ではない」を用いて正五角形にならない理由を説明している。「正しい命題の対偶は正しい」ということであり、論証の基礎を培う一つの場面でもある。

予想される生徒の反応

正六角形は辺と辺が向き合うが、正五角形は辺と頂点が向き合う。
ワークシートにかいてある正六角形と正五角形の各辺を延長させてみると、辺と辺の位置関係がわかる。
正六角形は、向かい合う辺が必ず平行になっていることに対して、正五角形には互いに平行になる辺はない。
作図ツール(GSP)で図形の大きさを様々に変えてみても、辺と辺の位置関係については必ず同じことがいえる。
立方体の切断面についても、正六角形や正五角形の特徴を視点として観察してみれば、正五角形はできない理由がわかりそうだ。
平面を動かしてみても、六角形の向かい合う辺は必ず平行になる。
cabri3D 正六角形は向かい合う辺が平行だから、切断面に現れる。正六角形以外の六角形でも、向かい合う辺が平行になることは共通している。
cabri3D 5本の辺のうち、向かい合う2組の辺が必ず存在する。
正五角形は、各辺と頂点が向かい合い、辺同士が向かい合うことはないから、現れない。
立方体を回転させると、向かい合う辺は同じ平面上にのっていることがわかる。向かい合う平行な平面を別の平面で切断した場合は、向かい合う2平行な2直線が現れることがわかる。
cabri3D

正六角形は、3組の向かい合う平行な辺が存在するから、切断面に現れる。これで正六角形はできて、正五角形はできない理由が説明できる。

cabri3D先生がかいた見取り図は、辺が面上になっていない部分があるから、このような図はあり得ない。

なお単元構成および授業展開、ワークシートの著作権は新井 仁(所属:長野市立柳町中学校)に帰属しております。

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